STEP13 学校教員をめざす方へ (02)

STEP

13

学校教員をめざす方へ

② 私立学校教員の採用 (小・中・高・特別支援)

公立学校とは異なり、統一の採用試験はありません。民間企業と同じく学校ごとに募集・試験が行われます。内容は学校ごとに千差万別ですが、面接や模擬授業が中心になる傾向があります(筆記試験を課す学校もあります)。
私立学校は毎年募集があるわけではなく、欠員が出た場合に採用活動が行われるのが一般的です。

〜 私立学校の教員に応募する方法 〜

大きく2つに分けられ、求人や公募に応募する方法と、各自治体の私学協会に登録する方法があります

(a)求人や公募に応募する方法(代表的なもの)

  • ※大学に送られてくる求人をチェックして応募する
    求人のピークは公立学校の募集が一段落する秋頃ですが、近年は公立学校同様に前倒しの傾向があります。
  • ※日本私学教育研究所のサイト内「教職員採用情報」にある「教職員募集情報」を確認する
    日本全国の私立学校の求人情報が、教科ごとにリアルタイムでチェックできます。
  • ※複数の学校が集まる合同説明会に参加する
    民間の就職情報会社が主催する教員採用説明会に参加する方法です。
  • キリスト教学校教育同盟の各種イベントに参加する
    本学をはじめとするキリスト教学校が同盟を結び、キリスト教学校の教員を養成するプログラムを開講しており、ここに出席する方法です。 求人紹介をしてもらえる教職員就職支援登録の制度もあります。
  • ※希望する学校に直接求人を確認する
    自分が志望する学校が求人を行っているかを直接確認し、応募します。

(b)各自治体の私学協会に登録する方法

各都道府県には私学協会があり、中には教員志望者の登録制度を設けている場合があります(現在首都圏の東京都神奈川県千葉県埼玉県の私学協会はすべてこの制度を設けています)。
登録は所定の履歴書に記入・送付して登録するのが一般的ですが、詳細は実施している各協会により異なりますので、希望する都道府県の私学協会ホームページ等で確認しましょう。

③ 幼稚園教員の採用について

幼稚園の採用も大きく分けて公立と私立があります。

〈公立幼稚園〉

自治体によっては公立幼稚園を設置しているところがあります。
公立幼稚園の教員になるためには、各自治体が実施する教員採用試験を受験し、合格する必要があります。合格者に対する倍率は年によって変動するものの、およそ10〜15倍程度と一般に高く狭き門です(2023年度実施の「東京都特別区立幼稚園教員採用候補者選考」では、受験者総数186名、最終合格者22名、補欠者48名、採用者45名。2024年3月31日時点)。しかし、本学からも過去に合格者が出ており、可能性はあります。公立幼稚園の教員の身分は公務員になります。幼稚園教員を進路に考えている人は受験を検討するとよいでしょう。
なお、募集を行う自治体と行わない自治体がありますので、自分の希望する地域の市区町村教育委員会の採用ページを確認するか、直接問い合わせをして募集を確認し、募集があれば応募するという流れになります。

ただし幼稚園教員と保育士を一緒に採用する自治体もあり、幼稚園教員の免許と保育士資格の双方を取得、あるいは取得見込みであることを応募資格とするところもありますので注意しましょう(本学では、保育士資格取得に向けたサポートとして、6月頃に対策講座を開講しています)。

公立幼稚園の採用の流れ 例:2025(2024年度実施)東京都特別区立幼稚園採用候補者選考

公立幼稚園採用の流れ

要項発表

4/1〜

申込

5月初旬締切り

一次試験

6月下旬

一次合格発表

7月下旬

二次試験

8月中旬

二次合格発表

9月上旬

採用候補者説明会

9月下旬

各区教育委員会による面接

9月下旬〜

採用

4月

二次試験合格者は、採用候補者として名簿に登載され、各教育委員会による面接を経て採用が決まります。ただし、年度によって採用がない区があります。また、区立幼稚園がない区もあります。

〈私立幼稚園〉

私立幼稚園の場合は自治体ごとの採用試験はなく、幼稚園ごとに採用が行われます。教育実習やボランティア等をきっかけとして採用に結びつくケースもありますが、就職希望地域から幼稚園を調べ、教育方針を見て興味を持った園に連絡し、見学のうえ、受験して採用される場合も増えています。
応募する方法としては小・中・高・特別支援と似ていますが、以下のようなものがあります。

〜 私立幼稚園の教員に応募する方法 〜

(a)求人や公募に応募する方法(代表的なもの)

  • 大学に送られてくる求人をチェックして応募する(個別に求人を出している幼稚園があります)

  • 各県には私立幼稚園の連合会(他に私立幼稚園の協会など)があります。各連合会(協会)のサイトは全日本私立幼稚園連合会のホームページから入ると探しやすいです。

  • 東京は東京都私立幼稚園連合会の求人情報サイトを確認する

  • 民間の就職情報会社が主催する、幼稚園フェアや説明会に参加する

  • 希望する園に直接求人を確認する

(b)幼稚園連合会・幼稚園協会に採用希望者登録する方法

連合会(協会)によっては採用希望者の登録制度を設けている場合があります。
登録はサイト上での登録から、所定の履歴書に記入・送付する登録までさまざまですので、それぞれのホームページ等で確認しましょう。

どのような形で応募するにせよ、さまざまな幼稚園を見学し、ここはと思う園にボランティアとして入り、今の幼稚園の現場をよく知るようにするとよいでしょう。

④ その他 〜採用試験に向けたスケジュールや民間企業就職を考える際の注意点〜

(1)学習スケジュールを前倒しに! 〜教育実習期間を考慮に入れて〜

教育実習は、4年次の5〜6月に2〜4週間(校種等により異なる)行うケースが多いです。(特別支援の免許を取得する方は秋にも実習があります)5〜6月は、教員採用試験の一次試験が行われる7月の直前にあたります。すなわち、直前の追い込み期に試験準備に割く時間が大幅に減ることになります。したがって教員採用試験に向けた準備のスケジュールは前倒しで立てましょう。この時期の最優先は教育実習になりますので、3年次からスケジュールをよく考えておきましょう。

(2)教員就職と民間企業就職 〜迷っている方もしくは併願される方へ〜

就職活動時期が重複し、教員就職と民間企業就職の併願は難しくなることがあります。どちらに重点を置くか今のうちによく考え、遅くとも3年生の12月までには決めましょう。迷いながら中途半端のまま時間が経過することがないよう注意してください。
なお教育実習期間中は就職活動ができなくなりますので、この点も注意しておきましょう。
また、例年教育実習を終えてから、やはり教員になりたいと考え直す人が一定数います。しかし、その時期にはすでに出願期間が過ぎてしまうことが多いので、迷いがある場合は、ひとまず出願しておくことをお勧めします。