STEP08 筆記試験

STEP

08

筆記試験

① 筆記試験はどんなもの?

(1)採用選考における筆記試験の目的

企業は採用選考において、一緒に働きたい人材を見極めることを最重点目標としています。しかしながら、人気企業では数千人以上の応募があるため、効率面(コストや手間)を考慮し、書類審査や筆記試験を行い、ある程度の人数に絞った後に面接へ移行する選考形式をとっていることが多くあります。このため、就職活動を行ううえで筆記試験対策は非常に重要な要素となっています。筆記試験は、いわゆる学力検査というより、人物評価をする上での資料です。多くの場合、能力検査と、性格検査とがセットになっています。

(2)形式や出題傾向

[筆記試験の形式]
筆記試験には、実施形態により以下の2種類があります。

① ペーパーテスト:紙で問題が配られ、自由記述やマークシートなどで解答する形式
② Webテスト:コンピューター上で問題を解く形式

筆記試験はいろいろな業者が作成していて、それぞれ種類があります。
筆記試験対策本では、ペーパーテストで約50種類、Webテストで約20種類があると説明されています。このような多種の試験ですが、出題傾向は以下のように大別できます。

[筆記試験の出題傾向別分類]
筆記試験には、出題傾向により以下の3種類があります。
それぞれの試験の詳細は、非公開とされていますが、各種対策本を参照すると以下に示す内容と言われています。

❶ 一般常識・時事

中学生レベルの5教科(国、数、英、理、社)と、時事問題とが組み合わされて出題されます。企業が業者に頼まず独自に作っている場合もあり、採用コストを抑えるため、中堅企業で採用されるケースがよく見受けられます。また、一般職の採用試験として出題されることが多いため、一般職志望の方は対策が必要と思われます。

❷ 適性検査

このタイプの試験では、能力面、性格面などが審査されます。内容としては、国語のような言語分野と、小学校・中学校レベルの数学のような非言語分野と、性格検査との3部構成になっています(中には、英語・構造的把握能力を問われる試験もあります)。
その中でもっともシェアが高いのは、SPI3です。他に有名な試験としては、CABやGAB、TAP、SCOAなどがあります。

❸ 志望動機系の設問例

性格検査は、前述の一般常識や適性検査とセットで行われる場合が多いですが、性格検査単体で行われる場合もあります。質問に回答する形式のものや、単純な計算を繰り返すことで検査する内田クレペリン検査などがあります。
近年上記に加えて語学や論文を課す企業も増えています。

〈参考〉代表的なテストの種類

テスト名 入手方法 内容
(あくまで一例)
補足
テスト名 実施場所
SPI3 テストセンター 共有会場 能力適性検査
(言語・非言語問題)
性格適正検査
※英語・構造的把握能力はテストセンターのみ
使用企業数が最も多い。
インハウスCBT 企業の会場
Webテスティング 自宅など
GAB 玉手箱シリーズ 自宅など 能力適性検査
(計数・言語等)
性格適正検査
商社、証券、総研などの業界で多く使用。
SPI3より難易度は高め。
CAB Web・CAB 自宅など 能力適性検査
(四則逆算・暗号解読等)
性格適正検査
SEやプログラマーなど、コンピューター職の採用テストで使用。

② 筆記試験対策

採用選考の場合、志望する企業の出題問題が分からないことがほとんどです。また、制限時間が設けられている場合が多く、素早く解けるよう慣れが必要です。志望企業をまだ考え中であったり、志望企業の出題問題の情報が見つからない場合、以下のような対策がお勧めです。

(1)筆記試験対策本を利用する

① SPI3対策をする。② GAB対策や一般常識対策をする。

筆記試験において現在最もシェアが高いのは、SPI3であるため、まずはこの対策がお勧めです。非言語分野の出題分野である中学数学の基礎的な問題は、どの試験にも共通する基礎的要素なので、筆記試験の基礎力養成に役立ちます。まずは、1冊自分にあった対策本(参考書)を見つけ、やってみてください。
その後、余裕があればGAB対策や一般常識対策を行うことをお勧めします。キャリアセンターでは参考書の貸し出しも行っています。

(2)キャリアセンターの筆記試験対策講座を利用する

キャリアセンターでは、主に春・夏の2回、筆記試験対策講座を実施しています。

(3)インターネットを利用する

最近では、選考の早い段階で、Webテストを実施する企業が増えてきました。
特に性格検査はWebテストが主流です。
Webテストは、ペーパーテストと異なり、例えば、計数理解分野で途中式などを問題用紙にメモすることができないため、慣れを必要とするテスト形式です。模試や問題演習を就職情報会社のサイトで行うことができます。このようなインターネットのサイトを利用して対策を行ってください。

③ テストセンターについて

日本で最も多く使われている採用テスト「SPI3」のパソコン受験版です。全国の主要都市にあるテストセンターに出向き、コンピューターを使用してテストを行います。日程は、選考エントリーの後に各自予約をして決めます。選考のエントリーがギリギリになった場合、予約可能な日が限定されてしまいますので注意しましょう。